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時間の国の○○○―「女性自衛官死守セヨ」レポ

・110922 劇団ゲキハロ第11回公演 「戦国自衛隊 女性自衛官死守セヨ」@池袋サンシャイン劇場

出演
清水佐紀(上杉)/嗣永桃子(小宮)/徳永千奈美(河合)
鈴木愛理(若月)/岡井千聖(つぶら)/萩原舞(絶姫) 他

縁あって、ありがたいことに今年もゲキハロを観させてもらいました。
今回はBerryzと℃-uteのメンバーを混ぜて2グループに分けての舞台です。
私が観に行ったこの「死守セヨ」と「帰還セヨ」というもう一方の舞台は、内容が異なります。ました。

佐紀ちゃんや桃子が出るということですので、希望通り観られて嬉しい。
前回の「ハイカラ」は佐紀ちゃんの出シロが多かったり、れいなさんが上手くて良かったし(茉麻も良かったよ)、去年の「三億円少女」なんかはあまりに素晴らし過ぎたので、ハードルを下げて観ましたが、今回は、もう、まったくもって凄かった。

泣かされました。えれー泣かされた。

ざっくりいえば、女性自衛官である若月(後の3人より上官)、上杉、河合、小宮(衛生科)と民間人2人が突如タイムスリップして戦国時代へやってきて、そいで原住民のつぶらとその兄と兄の妹分で、集落の姫様である絶姫とあとジジイが出てきて、でも兄貴と姫は実はほぼ恋仲で、そんなこと言ってたらその集落を景虎とかいう武士とその家来が襲ってきて、なんでかっていうとその集落には金が眠ってるわけで、自衛官たちには戦車があったり機関銃があったりするから一旦追い払って、そのときにつぶらは怪我して、景虎ってのちの上杉謙信だ!って民間人の一人は気づいて、自衛官たちの武力を見込んだ景虎は自分らと組まないかと持ちかけて、若月はどっちにもつくわけにはいかないって断ったんだけど、ややあって争いをとめるために手を組む事になって、集落と景虎の和平のために姫と景虎は結婚させられることになるんだけど、まぁなんだか悲しいよね。

上杉はこのへんで自分の先祖と景虎たちの関係に気づいたりするんだけど、最終的に姫を乱暴に扱った景虎から姫を引き離して、彼女の想いを遂げさせたんだよね。そして組んだのにうっかり家来(やそきちみたいな名前)が民間人を切っちゃうし、それを静止しようとした小宮も切られちゃって。

若月は歴史に介入してしまうことに、悩みに悩んだ結果、上杉と戦うことになったんだよね。小宮は死んでしまって、上杉も自分が生まれてくるはずの歴史を変えてしまったので消滅。若月が、この戦国時代で上杉謙信として、争いを無くすために闘うと決意する、まぁ、そんな話。


まず、絶姫役のまいまいだけど、殺陣のシーンが慣れてなさすぎてね。ニヤけて斬ってないか?っていうくらい。まだまだ子供、っていう役だし、舌ったらずなところはむしろ良かったと褒めるべきか。

つづいて岡井ちゃんのつぶらだけど、いいトーンで声を張れているなと。民族っぽい装束も合ってるし、小宮に「歌」を習うとこ(戦国時代には歌がまだ存在しないという流れがあった)では下手な歌が可愛らしかったし、小宮を想って歌うところは綺麗で泣けた。

喧嘩っぱやくて口の悪い河合役の千奈美は適役だったと思う。バディの仲である上杉とのコンビは本当の親友を観ているように微笑ましかったし、勇んで機関銃をぶっ放したりするところは一番似合っていた。小宮の死と上杉の消滅からの怒りと悲しみからの流れは目が離せませんでした。泣きも良かった。

ナースの小宮役を演じた桃子も、自信のキャラを逆手にとって笑わせたり、若月とのエピソードやつぶらを妹のようにかわいがる様子はオンオフのはっきりした彼女らしいものだった。自分の生い立ちから自衛官を目指し、若月に打ち明けて死んでいく姿は悲しすぎてこっちも堪えられなかった。

佐紀ちゃんの演じた上杉は、戦場ではバカになれと教えられた、きっとそれほど優秀でない自衛官だったんだろうけど、冒頭の上官との恋のやり取りやバカ呼ばわりにバカですからと答える姿は可愛らしかった。そんなおっちょこちょいっぽい人なのに自分が消滅するかもしれないと知りながら姫を不憫に思って助けたり、そんな姫の気持ちを知らずに邪険にした景虎を怒鳴りつけたりする姿の強さには目を見張った。怒鳴るシーンは凄みがあって、今までのどの演技より迫真だったと思う。これは演る側も観る側も凄い経験だ。

最後に若月陸軍長の愛理。今回の舞台の主要役者の仲でいちばん位が上なので命令口調も多いし、気を張っている姿でよく立ち続けていたと思う。セリフがはっきり聴き取れないところがあったけど、軍隊だと考えれば早口で聴きなれないことを言ってても良かったと思います。
序盤は笑いあり、だったんで本当は緊張してた、という描写がありましたが、部下の河合や上杉がはじめて命令をきかなかったところや、不測の裏切り(本当は勘違いというか、お互いの行き違いだったが)があって不安が募り、自衛とはなんなのか悩む描写。それと死にゆく小宮から憧れていたと打ち明けられて、悲しみに打ちひしがれる様子は寂しさも透けてみえてとても惹かれました。
愛理にとってとても難しい役どころだと思いましたが、また本人に多少残る不安さや幼さが、自分はちゃんとしてなきゃいけないと心に決めている若月の姿を際立たせていたんだと思います。もしそこまで考えてたら、脚本凄すぎだろ。


とにかく、前半の面白げな幕開けと、後半の悲しい話の展開が怒涛でした。落差がズドンとあって、観るのにもパワーが要る感じです。終わったあとは、いい意味でショックでした。救いようがないといえばない。だいたい一人ひとりに物語がある点は、こういうアイドルが出る舞台としてはありがちながら、それほどくどくはなかったかと。伏線もいろいろあったので話に飽きることは劇中無かったと思います。素晴らしかった。

「大人の麦茶」の関わった作品って割とこうなる、っていう点はいくつかあると思いますが、このクオリティで観させてくれるならばまだまだ観たいと思います。もちろん池田さんの声が素敵でした。
是非DVD等でご覧ください。(うちで上映会やりたい)



恥を忍んで2chで拾った画像を・・・!
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うまい。さすがのすがや。

by aonr | 2011-10-07 01:10 | ライブ